2013年 07月 29日
覚え書き7月
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『新潮』はここ最近、ミランダ・ジュライの『IT CHOOSES YOU』の岸本訳を小分け掲載しているので気がつくと購入している。2013年の8月号では、岸政彦氏の『世界の断片を集めること──社会学的「反物語」論』が興味深かった。
「失われてしまったあとに見出されたもの」「失われてしまったあとに見出されなかったもの」「そもそも最初から存在もせず、それゆえに失われさえしないもの」を経由して、「そこに最初から存在し、そして失われることもなく、だが誰の目にも触れないもの」の可能性を語る。
薄々気づいてはいたけれど、私たちは、紙のジンに集められた小さな語りというロートルな時間の堆積物に向けるのと同じ愛情と視線をもって、アメブロや携帯サイトなどに見られる、断片的で膨大なデザインされていない語りを捉えなければいけないのではないか? 普通の人々が書く、普通の生活の記録。「徹底的に世俗的で、徹底的に孤独で、徹底的に膨大なこのすばらしい語りたち」。要再考。
『BIG ISSUE』219号は「特集:ファブラボ 世界とつながる市民工房」を目当てに購入。丁寧な取材でファブラボの多様性が十分に感じられるインタビュー。が、対面のページの雨宮処凛氏の連載『世界の当事者になる』にぐっとくる。162回目のタイトルは「魔の五分」。彼女が過去に取材にした自殺志願者たちが共通して言っていた言葉、「本気で死にたい気持ちは五分くらいしか続かない」。「だからこそ、その五分をなんとかやり過ごすことを繰り返していけば、生きていくことができるのではないか」。
やり過ごす、という言葉はいつでも好きだ。ご存じ『BIG ISSUE』は価格の300円のうち、160円が販売者の収入になる。駅前で売ってたおじさんは丁寧な言葉遣いだった。
このながれで一つリンク。
国立国会図書館長、長尾真の対談シリーズ第3弾、『言語とはなにか:書く、伝える、遺す』で、円城塔氏とのトークに参加された方のレポ。
「書かれたものをばらばらに組み合わせるとお前のものになる、というのをどう越えられるか」という話と、「短歌の自動生成プログラムによって書かれたものを歌人に見せると、背後の人格が見えなくて酔うらしい」というのが面白い。読み込み不足なので備忘録的にリンク。
「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」
夕立はまだ夏がそこにあることを意識させる。
「失われてしまったあとに見出されたもの」「失われてしまったあとに見出されなかったもの」「そもそも最初から存在もせず、それゆえに失われさえしないもの」を経由して、「そこに最初から存在し、そして失われることもなく、だが誰の目にも触れないもの」の可能性を語る。
薄々気づいてはいたけれど、私たちは、紙のジンに集められた小さな語りというロートルな時間の堆積物に向けるのと同じ愛情と視線をもって、アメブロや携帯サイトなどに見られる、断片的で膨大なデザインされていない語りを捉えなければいけないのではないか? 普通の人々が書く、普通の生活の記録。「徹底的に世俗的で、徹底的に孤独で、徹底的に膨大なこのすばらしい語りたち」。要再考。
『BIG ISSUE』219号は「特集:ファブラボ 世界とつながる市民工房」を目当てに購入。丁寧な取材でファブラボの多様性が十分に感じられるインタビュー。が、対面のページの雨宮処凛氏の連載『世界の当事者になる』にぐっとくる。162回目のタイトルは「魔の五分」。彼女が過去に取材にした自殺志願者たちが共通して言っていた言葉、「本気で死にたい気持ちは五分くらいしか続かない」。「だからこそ、その五分をなんとかやり過ごすことを繰り返していけば、生きていくことができるのではないか」。
やり過ごす、という言葉はいつでも好きだ。ご存じ『BIG ISSUE』は価格の300円のうち、160円が販売者の収入になる。駅前で売ってたおじさんは丁寧な言葉遣いだった。
このながれで一つリンク。
国立国会図書館長、長尾真の対談シリーズ第3弾、『言語とはなにか:書く、伝える、遺す』で、円城塔氏とのトークに参加された方のレポ。
「書かれたものをばらばらに組み合わせるとお前のものになる、というのをどう越えられるか」という話と、「短歌の自動生成プログラムによって書かれたものを歌人に見せると、背後の人格が見えなくて酔うらしい」というのが面白い。読み込み不足なので備忘録的にリンク。
「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」
夕立はまだ夏がそこにあることを意識させる。
by iwafuchimisao
| 2013-07-29 05:56
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