2012年 09月 27日
赤い椅子
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新しい家のキッチンは随分広くて、私はしょっちゅうコンロの前に赤い椅子を持ってきてそこに座る。本棚から取り出した文庫をめくりながらお酒を飲んだり、DVDを見たり、たまに手紙を書いたりしながら鍋に火が通るのを待っていると、そういえば今日は誰ともしゃべっていない、なんてことに気づいたりしてちょっと怖い。
時々私はこの世界に過剰な期待をしてしまって、そういう時には、静かな雨でも降らないかな、とぼんやり天気予報なんかを聴いたりする。
窓を開けると、知らない誰かに向かって吠える犬の声が聞こえる。テーブルの端っこぎりぎりに置かれた胡椒の瓶を見る。空っぽの額を眺めて、そうだ帰り道に草花を摘んできて押し花を作ろうと思う。振りすぎて割ってしまったスノードームを思い出す。この椅子に座っているのは私ひとりだ、ともう一度確かめる。
調べたところ、どうやらしばらく雨は降らなさそうなので、雨音だけが聞こえるサイトを開こう。
遠くで雷が光る幻を見た。
rainymood
時々私はこの世界に過剰な期待をしてしまって、そういう時には、静かな雨でも降らないかな、とぼんやり天気予報なんかを聴いたりする。
窓を開けると、知らない誰かに向かって吠える犬の声が聞こえる。テーブルの端っこぎりぎりに置かれた胡椒の瓶を見る。空っぽの額を眺めて、そうだ帰り道に草花を摘んできて押し花を作ろうと思う。振りすぎて割ってしまったスノードームを思い出す。この椅子に座っているのは私ひとりだ、ともう一度確かめる。
調べたところ、どうやらしばらく雨は降らなさそうなので、雨音だけが聞こえるサイトを開こう。
遠くで雷が光る幻を見た。
rainymood
by iwafuchimisao
| 2012-09-27 05:29
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