2011年 08月 25日
夏の終わり、夢みる機械
|
アニメ監督であり漫画家でもあった今敏(こん・さとし)氏が2010年8月24日に逝去してから早一年。遺作となる『夢みる機械』が昨年の11月正式に製作続行を発表されたのも束の間、今年の8月には資金難で制作休止に陥っているとの噂が。回顧展も終わったばかりなのだけど、カンパでもなんでも出すんで制作続けて欲しい……!!
さて、昨年10月に、仲間内で集まって今監督の作品を見る会というのを開催した。「PERFECT BLUE」から「パプリカ」まで、2夜に渡って行われたオールナイト鑑賞。一日目の終わりには参加者それぞれにA5用紙を渡し、二日目までに「遺言または死について思うこと」を書いてきてもらうという趣向つき。そう、今監督がオフィシャルのサイト上に遺した言葉がきっかけだった。→「さようなら」
思ったことを書いて、集めて、貼って、その時みんなで話した言葉とともにコピー機にかける。筆で書くひと、ハンコ捺してくるひと、忘れてその場で書くひと、tumblrアドレスでCCライセンス付の遺書を公開するひと、遺影写真つけてくるひと、後日書き直すひと……サイトの今監督の言葉や、彼の唯一の漫画単行本からのイラストもふんだんに引用して強引にホチキスで綴じると、遺書集というかお手紙集というか、何とも素敵なコミュニケーションツールができあがった。
「語りかけられているように聞こえる、聞こえない声に耳を澄ますこと。わたし(たち)の死について想うことが、わたし(たち)自身の(あるいはあなたの)生の糧となりますように」
今監督の逝去から一年経って、あの場をハードコピーしたこのジンを読み返していたら、偶然twitterで目についたこんな言葉を思い出した。
『あるなにかが、あの時、ここに確かにあった、それをわたしが見ていたという視線の痕跡を、残さなくては』。
リブログでもなくデータコピーでもなく紙で複製されたジンというもの、当事者の中にも、もう手元に残っていない人もいるでしょう。その儚さと強さをなんとなく再確認した、夏の終わり。
([遺]今ナイトzineは、2010年11月東京zinesterギャザリング@桜台poolにて少部数発行されました)
さて、昨年10月に、仲間内で集まって今監督の作品を見る会というのを開催した。「PERFECT BLUE」から「パプリカ」まで、2夜に渡って行われたオールナイト鑑賞。一日目の終わりには参加者それぞれにA5用紙を渡し、二日目までに「遺言または死について思うこと」を書いてきてもらうという趣向つき。そう、今監督がオフィシャルのサイト上に遺した言葉がきっかけだった。→「さようなら」
思ったことを書いて、集めて、貼って、その時みんなで話した言葉とともにコピー機にかける。筆で書くひと、ハンコ捺してくるひと、忘れてその場で書くひと、tumblrアドレスでCCライセンス付の遺書を公開するひと、遺影写真つけてくるひと、後日書き直すひと……サイトの今監督の言葉や、彼の唯一の漫画単行本からのイラストもふんだんに引用して強引にホチキスで綴じると、遺書集というかお手紙集というか、何とも素敵なコミュニケーションツールができあがった。
「語りかけられているように聞こえる、聞こえない声に耳を澄ますこと。わたし(たち)の死について想うことが、わたし(たち)自身の(あるいはあなたの)生の糧となりますように」
今監督の逝去から一年経って、あの場をハードコピーしたこのジンを読み返していたら、偶然twitterで目についたこんな言葉を思い出した。
『あるなにかが、あの時、ここに確かにあった、それをわたしが見ていたという視線の痕跡を、残さなくては』。
リブログでもなくデータコピーでもなく紙で複製されたジンというもの、当事者の中にも、もう手元に残っていない人もいるでしょう。その儚さと強さをなんとなく再確認した、夏の終わり。
([遺]今ナイトzineは、2010年11月東京zinesterギャザリング@桜台poolにて少部数発行されました)
by iwafuchimisao
| 2011-08-25 07:36
| BLOG