2011年 02月 07日
本当の話をしよう
|
本当の話をしよう。
西千葉時代からずっと、森博嗣ファンである。
文学としての著作は全て読み、
新書版が文庫サイズになれば同じ内容でも買い求め、
まだ名古屋大学で定期的に教鞭をとられていた頃から
ファンメールを送り(あまつさえお返事をもらい!)
当然ファンクラブにも入会しており、
講演会にも出向き、
名刺交換もさせてもらい、
質疑応答では直接お答えいただき、
スカイ・クロラの映画化の際にはジャパンプレミアに応募し、
この目でしかと押井守監督の実身長を確かめてきた、
というくらいはファンである。
いやんミーハー。
1997年の短編集『まどろみ消去』に収録されている『キシマ先生の静かな生活』という作品がとても好きだった。まあ、特に何も起こらない話で、毎日研究と向き合う「僕」と「キシマ先生」の、学問に対する静かな情熱が淡々と綴られているだけの短い文章なのだけど。
森氏は当時メインで書かれたミステリィの合間に、「どのあたりに読者がいるのか調べようと」バラエティに富んだ短編集を出されたという。「受け入れられないだろう」という氏の予想を裏切り、読者からの反響が意外に大きかったのが、短編集の一番最後に収録された『キシマ先生の静かな生活』だ。2010年、講談社創業100周年の記念出版「講談社書き下ろし100」の一冊としてこの短編を長編に書き起こしたものが、『喜嶋先生の静かな世界』である。

全344ページの後半は短編時の文章をかなり掲載(それでも改稿されている)しているが、多くはこのために書き下ろされた文章で構成されているので、私はとても嬉しかった。なにせ森氏の新作としては約2年ぶりだ、あの静謐な文章にまた触れられるだけで、私のような凡人は昇天しかねない。
「だから、なにか一つの専門分野を極めつつある人は、自分とは違う分野についても、かなり的確な質問ができるし、有益なアドバイスもできる。僕はまだよくわからないけれど、大学の先生という職業が成り立っているのは、こういう原理だと思える──」(『喜嶋先生の静かな世界』より)
私の愛する人生の先輩方も、同じことを言われている。確かに真理のひとつがここに明記されているのだ。何か勉強する世代(自分も含めて)、ぜひ読んでみてほしいな。
書籍単行本の他、iPhone版、iPad版ともにリリースされています。
『キシマ先生の静かな生活』
『喜嶋先生の静かな世界』
西千葉時代からずっと、森博嗣ファンである。
文学としての著作は全て読み、
新書版が文庫サイズになれば同じ内容でも買い求め、
まだ名古屋大学で定期的に教鞭をとられていた頃から
ファンメールを送り(あまつさえお返事をもらい!)
当然ファンクラブにも入会しており、
講演会にも出向き、
名刺交換もさせてもらい、
質疑応答では直接お答えいただき、
スカイ・クロラの映画化の際にはジャパンプレミアに応募し、
この目でしかと押井守監督の実身長を確かめてきた、
というくらいはファンである。
いやんミーハー。
1997年の短編集『まどろみ消去』に収録されている『キシマ先生の静かな生活』という作品がとても好きだった。まあ、特に何も起こらない話で、毎日研究と向き合う「僕」と「キシマ先生」の、学問に対する静かな情熱が淡々と綴られているだけの短い文章なのだけど。
森氏は当時メインで書かれたミステリィの合間に、「どのあたりに読者がいるのか調べようと」バラエティに富んだ短編集を出されたという。「受け入れられないだろう」という氏の予想を裏切り、読者からの反響が意外に大きかったのが、短編集の一番最後に収録された『キシマ先生の静かな生活』だ。2010年、講談社創業100周年の記念出版「講談社書き下ろし100」の一冊としてこの短編を長編に書き起こしたものが、『喜嶋先生の静かな世界』である。

全344ページの後半は短編時の文章をかなり掲載(それでも改稿されている)しているが、多くはこのために書き下ろされた文章で構成されているので、私はとても嬉しかった。なにせ森氏の新作としては約2年ぶりだ、あの静謐な文章にまた触れられるだけで、私のような凡人は昇天しかねない。
「だから、なにか一つの専門分野を極めつつある人は、自分とは違う分野についても、かなり的確な質問ができるし、有益なアドバイスもできる。僕はまだよくわからないけれど、大学の先生という職業が成り立っているのは、こういう原理だと思える──」(『喜嶋先生の静かな世界』より)
私の愛する人生の先輩方も、同じことを言われている。確かに真理のひとつがここに明記されているのだ。何か勉強する世代(自分も含めて)、ぜひ読んでみてほしいな。
書籍単行本の他、iPhone版、iPad版ともにリリースされています。
『キシマ先生の静かな生活』
『喜嶋先生の静かな世界』
by iwafuchimisao
| 2011-02-07 06:45
| BLOG

