2011年 01月 05日
おとなになるのかい
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その諸々の背景をしらずにSleater-Kinneyというバンドを聴いたのは学生の頃。いっつもギターを抱えて大学に来てた女の子が「Dig me out」を貸してくれたのだ。びよんびよんとのびるボーカルの声が耳に残るやつ。バイトからの帰り道、自転車に乗って坂道を下りながら大声で歌を歌うのは、青春の通過儀礼というか、みんなやってることだよね? 彼女たちの曲は、結構頻繁にその坂道プレイリストに登場した。もちろん当時の私は女性の権利運動についてなんて考え及ばず、のんきな学生をやっていたわけですが。
90年代のライオット・ガールズを代表するバンドとして活躍のち、2006年には活動を休止、最近はどうしたものかなあと思っていた2010年の12月、突如Vo+Gのコリン・タッカーが、自らのコリン・タッカー・バンドを率いてアルバムの発表と来日ツアーをやるという。公演前日にはDOMMUNEに出演、しかも対談のお相手は大垣さん(名著「riot grrrlというムーブメント」!)、ちふみさん(みんな大好きP-heavy!)、成田さん(IRAェェェェェェ!!!)という、コリンをほんとうにだいすきな人達が集結したといった感じ。当日の様子はTwitterログなどでね。
まあ時間がたったので書いてみるけど、私もこの配信は聞いてて、途中でコリンが「ジブリ大好き」みたいなこと言ってて、えっっ!と思ったの。特に「千と千尋の神隠し」が気に入ってる的な発言が続いて、さらにえっっっ!!
ジブリとかあずまきよひこの「よつばと!」とか、なんとなく私が怖いなーと思うのは子供のほんとうに嫌なところ、面倒なところを描かずにフェチっぽい造形に落とし込んでいるところで(まあコリンはお子さんがふたりもいるので今更だが)、あとやっぱり「千と千尋」とかはセックスワーカーに地位がない時代を描いたものでしょう?(違うのか?)だから、彼女の活動歴からすると一連の発言にはちょっとびっくりさせられたわけ。そっかー自分は、この先も多分ジブリ大好きとは言えないよっ……という気持ちと共に。まあ、彼女の音楽性には関係ない話なんですがね。他の人はどう思ったのかなあ。やっぱどうでもいいことなのかなあ。
憧れているものとのギャップを知ることは、何か場を変化させる力があるというか、より広い世界を連れてくる気がしている。2005年のSleater-Kinneyの「ModernGirl」という曲を私はすごく気に入っていて、なんだかんだ言って多分これからも疾走する坂の途中で何度も口ずさむのだろうな。
今年は多少嫌な人間になろうとも、よりパーソナルなものを作っていきたいです。
Took my money
And bought a donut
The hole's the size of
The entire world
by iwafuchimisao
| 2011-01-05 06:04
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