2010年 09月 02日
躁と鬱のあいだで
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いよいよ全訳が発売になったミランダ・ジュライの『いちばんここに似合う人』は新潮クレストから。16篇のショートストーリィが収められた短編集で、何度か新潮のyumyumで小分けに掲載されたりもしていたけど、私は待ちきれずにだいぶ前に原著を購入していた。元のタイトルは『No one belongs here more than you』。どちらも黄色い素敵な表紙。

でもやっぱり岸本佐知子さんの訳は素晴らしいな!ミランダ・ジュライのお話に共通の、自意識と思い込みの激しい主人公達が、突如セカイの終わりにぶち当たって絶叫しながら死んじゃう!ってなりながらも、一瞬で現実に戻ってくる様子が、間違いなく00年代の女の子の言葉で書かれている。私の好きなフレーズは例えばこんな感じ。
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Then a strange things happened. I was looking down at my shoses on the brown linoleum floor and I was thinking about how I bet this floor hadn't been washed in a million years and I suddenly felt like I was going to die. But instead of dying, I said: I can teach you how to swim. And we don't need a pool.
("Swim team" )
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2008年の横浜トリエンナーレで展示されていたジュライのインスターション作品『廊下』は、46メートルの長い廊下を左右から交互に突き出すパネルのメッセージを読みながら歩いてゆくもの。こちらも、彼女の小説と同様、私とこの世界、うまくいくかも!?と思った次の瞬間、でもまーそんなことはなくって、とクールな自分の声が聞こえてきそうな、なんというか人生の躁と鬱が凝縮されたような空間だったことを覚えている。JOY(日本語では幸)とかかれた小さなパネルが、天井近くの随分高いところにつり下げられていたのが印象的だった。
この『廊下』は横トリの後、群馬のハラ・ミュージアム・アークで8/31まで展示されていたけど、9/12からの秋の展示で継続されるかはちょっとわからない。でも電車でミランダ・ジュライを読みながら群馬に見に行くってのも素敵!早く秋が来るといいね。
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「するとおかしなことが起こった。わたしは自分の靴と茶色のリノリウムの床を見ながら、この床ぜったい百万年ぐらい掃除してなさそう、と考えていて、そうしたらなんだか急にもう死んじゃいそうな気がしてきた。けれど死ぬかわりに言った。水泳、教えてあげられるわ。プールなんてなくたってだいじょうぶ。
(『水泳チーム』岸本佐知子訳)
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私たちいつだって、死ぬかわりにそれを選んでる!
なんとかやっていこうよね。

でもやっぱり岸本佐知子さんの訳は素晴らしいな!ミランダ・ジュライのお話に共通の、自意識と思い込みの激しい主人公達が、突如セカイの終わりにぶち当たって絶叫しながら死んじゃう!ってなりながらも、一瞬で現実に戻ってくる様子が、間違いなく00年代の女の子の言葉で書かれている。私の好きなフレーズは例えばこんな感じ。
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Then a strange things happened. I was looking down at my shoses on the brown linoleum floor and I was thinking about how I bet this floor hadn't been washed in a million years and I suddenly felt like I was going to die. But instead of dying, I said: I can teach you how to swim. And we don't need a pool.
("Swim team" )
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2008年の横浜トリエンナーレで展示されていたジュライのインスターション作品『廊下』は、46メートルの長い廊下を左右から交互に突き出すパネルのメッセージを読みながら歩いてゆくもの。こちらも、彼女の小説と同様、私とこの世界、うまくいくかも!?と思った次の瞬間、でもまーそんなことはなくって、とクールな自分の声が聞こえてきそうな、なんというか人生の躁と鬱が凝縮されたような空間だったことを覚えている。JOY(日本語では幸)とかかれた小さなパネルが、天井近くの随分高いところにつり下げられていたのが印象的だった。
この『廊下』は横トリの後、群馬のハラ・ミュージアム・アークで8/31まで展示されていたけど、9/12からの秋の展示で継続されるかはちょっとわからない。でも電車でミランダ・ジュライを読みながら群馬に見に行くってのも素敵!早く秋が来るといいね。
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「するとおかしなことが起こった。わたしは自分の靴と茶色のリノリウムの床を見ながら、この床ぜったい百万年ぐらい掃除してなさそう、と考えていて、そうしたらなんだか急にもう死んじゃいそうな気がしてきた。けれど死ぬかわりに言った。水泳、教えてあげられるわ。プールなんてなくたってだいじょうぶ。
(『水泳チーム』岸本佐知子訳)
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私たちいつだって、死ぬかわりにそれを選んでる!
なんとかやっていこうよね。
by iwafuchimisao
| 2010-09-02 06:08
| BLOG

