2010年 07月 23日
すくわれた日常
|
学生の頃からずっとお世話になっている大学教官の特別講演があるというので、千葉へ。彼はコンスタントに作品を発表する彫刻家でもある。
2号棟のアトリエは満席で、立ち見の学生も多くいた。「日常のすくいかた」という講演タイトルは後づけなのだろう、90分の講義は主に彼が今まで作ってきたもので普段目に触れる機会の少ない作品──つまり、18年前の劇団映像だったり、韓国で作られたモニュメントだったり、毎年作っている味噌や果実酒や自家製の酵母で焼いたパンだったり、現在鋭意制作中の自身の家だったり、そういうもの達をスライドで紹介しながら淡々と進んでいった。
びっくりしたのは、ものをつくるということについて書かれた15年前の文章だ。何かの会報によせられた文章だったのだけど、恐ろしいことに今と全く同じことを言っている。なんという一貫性。まあつまり、今年も梅を漬けよう、去年よりうまくできるだろう、でも個展の作品が全然できてないなあどうしよう、まさか画廊に梅酒の瓶を並べて置いておくわけにもいかないし、いやあそれでも目の前の梅や味噌を無視して作品を作るなんてことできないしなあ、という内容。ちゃんと読みたいのでぜひ複写が欲しい。
彫刻家としての作品とは一見縁遠いようなものの中にも、ものづくりに対する愛というものが共通で存在するのだ。彼の中でそれらは同等に扱われ、味噌と陶器は当然のように共存する。そしてその愛情は、実は人間に対するものとそんなに変わらないのではないか、と言っているのだ。15年前というと、ちょうど現在の私の年頃だろう。そのぶれない姿勢に少し戦慄を覚える。
http://katayama-t.com/
講演の後は美しい私の友人と落ちあって、二人で彼のことなど少ししゃべった。恐ろしい量のアーカイブスの持つ威力を見せられたばかりだったので、やっぱり写真とか記録を残しておくのが大切なのだとここぞとばかりに彼女の写真を撮ってしまう。
2時間少しいた居酒屋のレシートにはビール12杯のオーダーが記されていたが、おそらく店員がズルをしたのだと思われる。
総武線から見る千葉の景色はフラットすぎてどきどきするな。
2号棟のアトリエは満席で、立ち見の学生も多くいた。「日常のすくいかた」という講演タイトルは後づけなのだろう、90分の講義は主に彼が今まで作ってきたもので普段目に触れる機会の少ない作品──つまり、18年前の劇団映像だったり、韓国で作られたモニュメントだったり、毎年作っている味噌や果実酒や自家製の酵母で焼いたパンだったり、現在鋭意制作中の自身の家だったり、そういうもの達をスライドで紹介しながら淡々と進んでいった。
びっくりしたのは、ものをつくるということについて書かれた15年前の文章だ。何かの会報によせられた文章だったのだけど、恐ろしいことに今と全く同じことを言っている。なんという一貫性。まあつまり、今年も梅を漬けよう、去年よりうまくできるだろう、でも個展の作品が全然できてないなあどうしよう、まさか画廊に梅酒の瓶を並べて置いておくわけにもいかないし、いやあそれでも目の前の梅や味噌を無視して作品を作るなんてことできないしなあ、という内容。ちゃんと読みたいのでぜひ複写が欲しい。
彫刻家としての作品とは一見縁遠いようなものの中にも、ものづくりに対する愛というものが共通で存在するのだ。彼の中でそれらは同等に扱われ、味噌と陶器は当然のように共存する。そしてその愛情は、実は人間に対するものとそんなに変わらないのではないか、と言っているのだ。15年前というと、ちょうど現在の私の年頃だろう。そのぶれない姿勢に少し戦慄を覚える。
http://katayama-t.com/
講演の後は美しい私の友人と落ちあって、二人で彼のことなど少ししゃべった。恐ろしい量のアーカイブスの持つ威力を見せられたばかりだったので、やっぱり写真とか記録を残しておくのが大切なのだとここぞとばかりに彼女の写真を撮ってしまう。
2時間少しいた居酒屋のレシートにはビール12杯のオーダーが記されていたが、おそらく店員がズルをしたのだと思われる。
総武線から見る千葉の景色はフラットすぎてどきどきするな。
by iwafuchimisao
| 2010-07-23 05:34
| BLOG