2013年 04月 23日
21世紀の
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青山のオーディオショウルームで、各自が持ち寄った音源を6000万円くらいのオーディオ機器で聴く会、というのに紛れ込んだことがある。
参加者がチョイスしたクラシックやジャズのそうそうたる名曲がかかる中、同席していた年下の女の子が恥ずかしそうにキング・クリムゾンの中古CDを取り出しているのを見て、なんなら私の持ってきた音源と一緒にかけてもらおうよ、と声をかけた。
曲はもちろん「21世紀の精神異常者(21st Century Schizoid Man)」。
彼女のは『クリムゾン・キングの宮殿』(1969)のリマスター・オリジナル版で、私のはモルゴーア・クァルテットという弦楽四重奏団による2012年のカバー。場違いな気もしたけれど、せっかくだから、大きな音で続けてかけて欲しいと、半ば割り込み気味に早口で主催者に伝える。
6000万円の音の違いは、残念な話、よく分からなかったけど、飲んでるワインをこぼしたら確実に殴られそうな毛足の長い絨毯と、はにかんだ彼女の笑顔だけはよく覚えてる。去年の秋の話。
傾聴
by iwafuchimisao
| 2013-04-23 06:10
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