2011年 03月 08日
てがみをかく 第3考
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そして、「出されなかった手紙」。
でもああ、一体何から書いていいかわからない。
とりあえず、クリス・クラウスの97年の「アイ・ラヴ・ディック」(日本語訳刊行は00年)と、Team Kathyの08年のzine、「Revolution Cat-Style Miaow!」。
クリス・クラウスはTeam Kathyのzineで何度も登場していて、ずっと気になっていた作家だ。ひとつひとつの言葉が、常に「わたしたち」が「生き続けることができるかもしれない」術を提示してくれてる気がして、それらを口に出す度に「ああッ!」とか胸を鷲掴みされる気持ちになる。日本では全く話題にならなかったこのデビュー作は、今ではamazonのマーケットプレイスで1円で売られてる。
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クリス・クラウス
ニュージーランド生まれ、アメリカ在住の作家、実験映画製作者。
ポストモダニズム私小説とも言われる「アイ・ラヴ・ディック」では、クラウスは大学教授をしている夫シルヴェアと共に(後に彼女一人で)、イギリス人の文化評論家ディックに対するラブレターを書き始める。手紙は決して出されることなく、妄想と現実が入り交じる「ゲームというよりプロジェクト」として、書き貯められていく。
クラウスいわく、「あなたといっしょならなにかできるんじゃないかと思った」。
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何か言葉を綴るだけで満足してしまうところが私にはあって、発表しなくても、人に聞かせなくても、読んでもらわなくても気が済む?、といった感覚は常につきまとっている。
「出されなかった手紙」。
もしかしてそれって、人間というものと向き合っていない証拠なのではと不安になることもあるけれど、この本を読んで私が勇気をもらった一節をちょっと引用してみよう。Kathy zineにも登場しているフレーズだ。
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(クラウスがディックから、そのプロジェクトはすべて君の空想にすぎない、といわれて)
「わたしたちの間のこと80%はわたしが作り上げたにせよ、20%はあなたから来てるはずだわ」とわたしは言った。あなたは反対し、わたしたち2人の間にあったものはぜんぶわたしのでっち上げだと言った。そんなことが可能かしら?仮にそうだとしたら、ファンであるということは意図した精神病ね。でもわたしたちの間に起こったことは特異なものであり私的なことよ。
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ワオ!
これってつまり、頭の中の妄想もタイプされた文字も、自分ひとりで書き上げたどこにもいかない手紙も、(少なくとも8:2の割合で)インタラクティブ・メディアたり得る、と言ってるんじゃない? 書くことにはそれだけで意味がある。特異なものであり私的なこと、それを獲得したくて、つまり人とコミュニケートしたくて、私は思考をこねくり回してたんだ。誰かあての手紙のようなパーソナルなzineは、それこそ20%の世界からのインフルエンスを自分でも確かめたくて思わず作ってしまうものだと信じたい(zine contestなんてクソくらえだ)!!!!!
最近、紙にコピーしてホチキスで留めようと思っていたテキストや課題をブログに落としてしまってるので、ヘンに推敲してしまっていけない。てがみをかく感覚で勢い作って交換したい。
「Revolution Cat-Style Miaow!」はクリス・クラウスって誰?っていう私たちにとって、「アイ・ラヴ・ディック」の非常に素晴らしい読本となっている。この2冊を合わせて読めるってすごいすごい贅沢なことだと思う! 手に入る人はぜひぜひセットで読んでみよう。「スタイルとして考える」フレームを使うことで、いつでも、「本当にいつだって」、私たちは実存を越えて繋がれることができるのだ、という気づきと励ましをもらえるの。ありがとうとしか言いようがないです。
(でも私はTeam Kathyのみなさんが好きすぎて、まだ手紙が出せない小心者…)
でもああ、一体何から書いていいかわからない。
とりあえず、クリス・クラウスの97年の「アイ・ラヴ・ディック」(日本語訳刊行は00年)と、Team Kathyの08年のzine、「Revolution Cat-Style Miaow!」。
クリス・クラウスはTeam Kathyのzineで何度も登場していて、ずっと気になっていた作家だ。ひとつひとつの言葉が、常に「わたしたち」が「生き続けることができるかもしれない」術を提示してくれてる気がして、それらを口に出す度に「ああッ!」とか胸を鷲掴みされる気持ちになる。日本では全く話題にならなかったこのデビュー作は、今ではamazonのマーケットプレイスで1円で売られてる。
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クリス・クラウス
ニュージーランド生まれ、アメリカ在住の作家、実験映画製作者。
ポストモダニズム私小説とも言われる「アイ・ラヴ・ディック」では、クラウスは大学教授をしている夫シルヴェアと共に(後に彼女一人で)、イギリス人の文化評論家ディックに対するラブレターを書き始める。手紙は決して出されることなく、妄想と現実が入り交じる「ゲームというよりプロジェクト」として、書き貯められていく。
クラウスいわく、「あなたといっしょならなにかできるんじゃないかと思った」。
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何か言葉を綴るだけで満足してしまうところが私にはあって、発表しなくても、人に聞かせなくても、読んでもらわなくても気が済む?、といった感覚は常につきまとっている。
「出されなかった手紙」。
もしかしてそれって、人間というものと向き合っていない証拠なのではと不安になることもあるけれど、この本を読んで私が勇気をもらった一節をちょっと引用してみよう。Kathy zineにも登場しているフレーズだ。
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(クラウスがディックから、そのプロジェクトはすべて君の空想にすぎない、といわれて)
「わたしたちの間のこと80%はわたしが作り上げたにせよ、20%はあなたから来てるはずだわ」とわたしは言った。あなたは反対し、わたしたち2人の間にあったものはぜんぶわたしのでっち上げだと言った。そんなことが可能かしら?仮にそうだとしたら、ファンであるということは意図した精神病ね。でもわたしたちの間に起こったことは特異なものであり私的なことよ。
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ワオ!
これってつまり、頭の中の妄想もタイプされた文字も、自分ひとりで書き上げたどこにもいかない手紙も、(少なくとも8:2の割合で)インタラクティブ・メディアたり得る、と言ってるんじゃない? 書くことにはそれだけで意味がある。特異なものであり私的なこと、それを獲得したくて、つまり人とコミュニケートしたくて、私は思考をこねくり回してたんだ。誰かあての手紙のようなパーソナルなzineは、それこそ20%の世界からのインフルエンスを自分でも確かめたくて思わず作ってしまうものだと信じたい(zine contestなんてクソくらえだ)!!!!!
最近、紙にコピーしてホチキスで留めようと思っていたテキストや課題をブログに落としてしまってるので、ヘンに推敲してしまっていけない。てがみをかく感覚で勢い作って交換したい。
「Revolution Cat-Style Miaow!」はクリス・クラウスって誰?っていう私たちにとって、「アイ・ラヴ・ディック」の非常に素晴らしい読本となっている。この2冊を合わせて読めるってすごいすごい贅沢なことだと思う! 手に入る人はぜひぜひセットで読んでみよう。「スタイルとして考える」フレームを使うことで、いつでも、「本当にいつだって」、私たちは実存を越えて繋がれることができるのだ、という気づきと励ましをもらえるの。ありがとうとしか言いようがないです。
(でも私はTeam Kathyのみなさんが好きすぎて、まだ手紙が出せない小心者…)
by iwafuchimisao
| 2011-03-08 06:02
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